いじめ。―story―




「あのさぁ、繭って好きな人いる?」
「…えっ!」




明らかに顔を赤くしている繭。
だめだよ。



そんな簡単に反応しちゃ。





「…いるよ」




やっぱりね。



で、誰?





「他の学校の…末沢って人」





末沢?
知らないなぁ……。





「同じ…塾なんだけど」





笑いそうになった。




だってこんな簡単にしゃべってくれるんだもん。
疑う心がなくてね。





こっちは助かるよ。