屋上に着くと、彼女は大の字で寝転んでいた。 隣に座り込むと、合図を待っていたかのように彼女は溜め息を吐く。 その重み、知っているつもりなんだ。 「あー、すっきりした。・・・楽しいね」 「何が。窓ガラス?先生?それとも自分自身?」 「全部かもね」 全部、と言い切るが、彼女はきっとそんな感情を抱いてはいない。 楽しいなんて表情は、もっと緩やかなはずだ。 俺は知っている。