「ほら、笑えたじゃん」 「そうだね、簡単に笑えた・・・」 「簡単に、とか言うなよ・・・」 ぼうぼうと燃え盛る炎は学校だけでなく俺たちをも包んでいくようだった。 もうこの世界からの出口はない。 炎とは随分離れた後で、僅かにサイレンの音が聞こえる。 「急ごう」 「うん」 汗で濡れきった手の平で彼女の右手を掴むと、彼女もまた、汗で濡れきったいた。 今度は俺が小さく笑った。こんなにも簡単に笑えた。嘘みたいだった。