私は先生の髪にそっと手を触れた。 何の会話もない静かな二人の時間に 周りの家族連れの賑やかな声や 風に揺れて聞こえてくる葉っぱの音が とても心地良い。 どのくらいの時間をそうやって過ごしたのかは分らなかったが 先生は体を起こして 「少し歩こうか?」 荷物を持って立ち上がり 私の手を取った。 先生は先に荷物だけを車に乗せに行き 戻ってきた先生と手を繋いで 並んでゆっくりと歩いた。