その日は学校も午前中だけで終わったので
先生と久しぶりに少し遠くまでドライブを楽しんだ。
先生の家へ向かって車を走らせていると
突然、鳴りだした先生の携帯電話。
車を止めて電話に出た先生の話す様子で
その相手が元カノである事に気がついて不安が襲った。
先生は話しながら私の方を見て
「悪い。
もう会って相談に乗ってやれない
それから連絡をされるのも困るから」
そう言って電話を切った。
「良かったの?」
伏し目がちに聞いた。
「あぁ。それより不安にさせて悪かった」
先生は私の心を知っているように見つめながら言った。
「いいよ」
そう言いながらも顔がくもっているのは明らかで、
先生はそんな私の手を握り
再び車を走らせた。



