ガチャッと扉が開く音がしたかと思えば、眉間にシワを寄せてポッケに手を突っ込んだ、奏斗の姿



「あーあ、また奏斗に見つかっちゃったー」



キスのことを忘れたわけじゃないけど



また、奏斗が、


霞むあたしを見つけてくれたことが、うれしくて

独りじゃないことにホッとして




だから今はもう、気にしないことにしたの







「…あん時もここに居ただろ」



びっくりして目を見開く


覚えて、たの…?