スリル満点だった。


 緑萌える中庭に出ると、わたしたちは思わず大声で笑ってしまった。


「なに考えてるのよ、トム。授業には出てこないくせに」


 息を切らせながら見ると、トムはなにか手に持ってこちらを見た。


「これ……シェリーにあげようと思って」


 私は思わず現金に手をさし出してから、あまりのことに呼吸も忘れて叫んだ。


「トム、全然うれしくないよ」