(…なんか、余計に緊張してきた…)


深く息を吐き、気持ちを落ち着かせる。

ふと、横を見るとショウと目が合う。

ショウは、少し苦笑いを浮かべた。


口元が『頑張れ』と動く。


(・・・よし)

決意を心の中で固めて、座っている椅子から立ち上がった。


「あの」


エルが口を開くと、さらに視線が一気に集まった。


(……う)



視線を感じるのに戸惑いつつも、勇気を振り絞って声を出した。


「…えと、まず
いきなり呼び出して、ごめんなさい。


もう思い切って、単刀直入に呼び出した理由を言います」



((いきなりかよ!?))


エルの思い切った行動に、皆の目が丸くなる。


この時、ショウは秘かに思ったのだった。

(・・・ここで不意打ちするとは・・・さすがエルだ・・!)


なにが「さすが」なのかは分からないが、
ショウの目は輝きを増すばかりだった。