カフェに到着すると店の前にバイクを停車して忍が出てくるのを待った。



携帯を取り出して店の前に居ることをメールした。



しばらくするとスゴい勢いでカフェの扉が開いた。




「右京!!」




嬉しそうに走ってくると忍は俺に抱きついて来た。




「ぷ…そんなに慌てて来なくても、俺ちゃんと待ってるのに」



「は!そうだ!早く行かないと美鈴が…」




ミスズ?




再びカフェの扉が開いた。




忍を首にぶら下げたまま目を向けると、じぃー…と凝視するボブカットの女の子が居た。




「アレの事?」



「…そう…彼氏に会わせろってうるさくて…」




気まずそうに頷いた忍が俺に耳打ちする。




「きゃ~~~!!!忍の彼氏さん!?」



「ども…」




かったるそうに挨拶をすると、鼻にかかった声に上目使いで話し掛けてくる。




「私忍の友達で美鈴っていいます♪
忍ぅ!彼氏さんカッコイいじゃん!」




…うぜー




と思ったがさすがに忍の友達なので我慢してニッコリ笑ってごまかした。



「悪いけど俺達これからデートだからまた今度な」




そう美鈴に言って俺は忍を抱きかかえるとバイクに乗せる。



その一連の動作を美鈴は頬を染めて見ていた。



それに気付かない振りしてバイクのエンジンをかけて走り出した。