とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~



俺を“指名”した女は肘を付いてニコニコ笑ってこっちを見た。


「…あのなぁ~…指名したきゃホストグラス行けよ…

ここはそういう店じゃないの!わかる!?」

「ホストに右京君いないじゃない!」

「俺がホスト出来るわけねーだろ…」


あからさまに迷惑な顔でノンアルコールのカクテルを作る。


「見てるだけで満足♪」

「…きめーな…」

「陸君が右京君の笑顔がヤバいって言ってたから、どうしても見たくてね♪」

「…俺の笑顔は彼女専用だから無理。」

「彼女が羨ましい~な~」

「ずっと羨ましがってろ」


そういうと「ひど~い」と女はふてくされた。


「でも、陰で遊んでるでしょ?」

「…一緒にすんな…」

「マジで!?それだけのルックスなのに!?」

「彼女以外興味ないから。」

「付き合い始めなの?」

「いや、付き合って3年…って何でんな事言わなきゃなんねーんだよ…」


女はポカンとして俺を見た。


「…一途なんだ…意外だわ…」

「わかったらコレ飲んで帰れ!」


ドンッ!と女の前にカクテルを置くと膨れた。

俺はそれをシカトしてガクに近寄ると「勘弁してくれ」とうなだれた。


「ごくろーさん。

素晴らしく完璧な無表情だった!」

「そらどーも…」


ガクはゲラゲラと笑っていた。

なんの罰ゲームだよ、コレ…