「!」

ガシャン!と。

窓ガラスが割れる音がする。

遂にゾンビ達が校舎内に侵入してきたのだ。

「急ぎましょう小野さん!裏口から脱出できるかな」

甦ったように、理子が機敏に立ち上がる。

その動きには、強い意思と生き延びようとする力強さが感じられる。

(強い子…流石小野寺先生の可愛がってた子だわ!)

内心笑みを浮かべがら、幸羽は手早く棚から薬品や道具を掻き集める。

消毒用アルコール、ピンセット、カッターナイフ、包帯、ガーゼ。

万が一に供えて、ここで治療用の備品を入手しておく事にしたのだ。