暫く考えている内に… じっと拓也を見つめている内に 私の意志は固まった。 私、やっぱり拓也を置いて彰ちゃんの元へなんて行けない…。 拓也の傍にはこれからもずっと私がついているんだから…。 そう覚悟を決めた時…。 ピクンと拓也の指先が動いた。 「…拓、也?……拓也っ?!」 私は無我夢中で拓也の名前を何度も何度も呼んだ。