『お母さん、雨好きなの?』 あれからもうすぐ三年がたとうとしていた。 愛理は、もうすぐ五歳になる。 八嶋は、申し訳ないことをしてすまなかったとメールを寄越して以来、一切家にくることもなかった。 出世街道まっしぐららしく、もう店舗回りもすることもなく、本社に引っ込んだようだ。 ハルイチとは、あれ以来連絡を取っていない。