「桜…」



後ろから空の声がする。
私は振り返れない…



「桜、あのさ…」



「幻滅したでしょ?」



「え?」



「こんな、見た目は大人しそうなのにめっちゃ逞しい女……平気で殺陣で悪党に勝っちゃうような女…いくら空でも引くよねー」



「俺、別に引いてないけど?」



「……え…?」



「桜は久喜家のお姫様なんだから殺陣がめちゃくちゃ強いのはしょうがないことだろ?むしろカッコイイじゃん、殺陣が出来る姫様なんて」



「空……」



なんであなたはそんなに優しいの?



どんな私を見ても必ず受け止めてくれて…
優しすぎるよ…



優しすぎて怖くなってくる


あなたが離れていってしまいそうで。