さよならさえも、下手だった



「やめろ!!!」


空気が震える。

俺の叫び声が刹那の殺気と共に爆発する。


動けないなんてもう関係なかった。

動けなくても動くんだ。


音都は俺が守る。

何があっても、守るよ。



まったく、刹那の言うとおりだ。




お前を愛してる、音都。

殺し屋なんて仕事も投げ捨てたくなるぐらい大切だ。



左目が尋常でないほど痛みだす。


やっと終わる。

罪の意識にさいなまれる毎日も、殺したくも無い感情を押し殺すことも。



やっとお前の、側にいられる。