「し、しんちゃん!
みんな、みんなが見てるから!」

胸の中で暴れる葵の耳に口を寄せ


「じゃあ、部室行こっか?」


呟くと


「--ひゃっ!」


声と肩を上げ驚く葵。


「もぅ、しんちゃ--っえ?」


顔を真っ赤にし、下から睨み付ける葵から素直に体を離すと睨んでいた顔は間抜け面へと変わる。


「もう休憩終わるからまた後でな。」


葵に背を向けコートに向かう、チラッと後ろを見れば真っ赤な顔で俯いている葵の姿。


「アハハ」


何年も葵と一緒にいてどう反応するのかがよくわかる。


--ちょっと虐め過ぎか…?


けど、葵が可愛いから止められない。