カーテン越しの外は、まだ朝じゃなかった。
暗い部屋の中で、時計の音だけが聞こえる。
起こしかかった身体は、汗でべっとりだ。
胸から全身へと、冷たさが広がっていく。
力が抜けた。
倒れこんだベッドが軋んだ。
不意打ちだった。
花凛の事を忘れていた訳ではない。
いや、忘れられた日なんてない。
それでも、不意打ちだった。
夢は残酷だ。
自分の思う様に、見れたりしない。
映画みたいにストーリーが流れていく。
運命より残酷なんじゃないか。
何一つ、変えられない。
悲しい結末を、知っているとしても。
どんなに幸せを望んでも。
あの頃の花凛と、あの頃の僕。
あれは、夢じゃない。
3年前の現実。
一つしかない終わりに向かう途中の。
泣けた。
次から次へと、涙が零れていく。
何で花凛なんだろう。
何で僕らなんだろう。
花凛がいなくなってからの、
何十回、何百回目の問い。
答えてはくれなかった。
誰も。
僕自身も。

