某ファーストフード店での恥ずかしい出来事(あたしは『昼下がりの妄想事件』と名付けた)の後、もうあの店には近寄るまい、と決めた。

決めたはずだった。
が、しかし。
日がたつ程に、そのチェーン店を見るたびにドキドキしはじめたのだ。

あんだけマヌケな事したからなあ、と最初は思っていた。
あの、とてつもない巨大チェーンの店がない町あるのかなあ、逃げ場がないなら、いっそ潰れてしまえばいいのになあ、とか平気で思っていた。

でも、違った。
あの男性スタッフの、花の咲いたような笑顔が忘れられなかった事と、笑顔に癒された自分がいた事に気付いたのだ。

カッコいい人や優しい人は珍しくないけど、癒してくれる人などあまり出会えない気がする。そこは、何気にあたしの中のポイントなのだ。