そのまま、ジャーっという水の流れる音と一緒に手が冷やされる。 真さんが瞬時に左手で蛇口を捻って、的確に私の小指を一緒に冷やしているのが視覚でははっきりと確認できるんだけど、 ええっ! 「し、真さんっ」 「…馬鹿」 不機嫌な横顔、無造作な黒髪が目元にかかっていてその色が見えない。 「ご、ごめんなさい」 「謝るな、俺が悪いみたいだろが」 今度は眉を曲げて、私に振り返る。 繋がれたままの手が流れる水の冷たい温度に溶けて、それなのにドクドクとアツイ。