「これ全部一人でするのか?」 真さんが視線を落としてひょい、と摺りかけの大根を持ち上げた。 「イエス、アイキャン!」 茶碗蒸し用の卵液を碗に注ぎながら親指を立てる。 怒涛のクッキングを終わらせ早く真さんとのめくるめく愛の世界に出発せねば! 「……色んな意味でおまえは惜しいな」 真さんが遠い目で息を吐いた。 「今のは褒めた!?」 「日本語は正しく理解しろ」 「イエス!アイキャン!」 真さんったら相変わらず照れ屋さんなんだからっ!