昼間と同じ濃紺ストライプのスーツ。良い香りがしてクンクンと鼻を鳴らす。 フンフンっ 「…やめろ」 抑揚のない声がすかさず落ちてきた。夢で声までこんなクリアに!感動だよ! 「………」 思わず涙ぐむと深い深すぎるため息が聞こえた。 それから、妄想真さんは私を引きずったまま玄関から廊下へ歩いて行く。「お邪魔します」と靴を揃える所が真さんらしい。 やだもう、かっこよすぎる。