うさのたちがまだ子供だった頃、さっちゃんの家に行くと必ずネコが出迎えてくれた。
外にはヤギだのウサギが草を食み、台所にはちょっと性格の悪いけど病弱なデカイ犬がおり、飼ってるつもりはないだろうが砂糖が入ったネスカフェの空き瓶から、アリンコさんたちが自由に出入りしている。(もちろん、生きて生還。)
さっちゃんの部屋に行くとキャットフードやネコの毛が、開けたポテチの袋とごちゃまぜになって床に放置されていた。
さっちゃん家に行くと、必ず洋服がネコの毛だらけになる。

前述の通り、動物といえば箱の中で飼えるものしか飼ったことがないうさのの家では(日本の他のお宅でも恐らく)あまり見られない光景だった。

正直、

「き・・・汚いよさっちゃん・・・」

と思ったが、反面、

「・・・こんなに汚くても人間は生きていけるのか!すごいぞ人間!」

と、勇気をもらってもいた。


しかし今振り返ってみると、

「・・・さっちゃんはもしかすると、人間ではなくて動物だったんじゃないか?」

そんな気がしてくる。

多分、さっちゃんもさっちゃんの家族も、動物と人間の間に境目を置いていなかったのだろう。

みんな家族なのだ。