あたしは徐に立ち上がり、マイクを手に取った。 「歌います。〝Alive”」 二度目だ。 人前で、“本当に”歌ったのは、これで二回目。 思い出しながら歌った。 霧羽を。 平山を。 石山を・・・。 そしてあのファミレスで拍手をしてくれたお客さんの笑顔。 店長。 チャンスをくれた、卯方 蓮治を――。