あの日が思い出される。 入学式の、あの日――― 『そんな演技はいいんだよ』 素でいられた。 家族の前でも何かで包んでた“俺”という存在を、見つけた。 一緒にいると気楽で。 でも少し心が痛くて。 ツンケンした態度も可愛く見えたりなんかして。 愛おしい存在で。 俺は――― ・・・違う。 これはきっと、娘に対する愛情に似ているんだ。