ひとかけらの恋

「お母さんが紗季に変わってだって!!」



「う、うん。」



携帯を受け取る紗季の顔は、みるみるうちに青ざめていった。


きっと紗季は、私と同じようにお母さんに何も言わずに買い物に来たのだろう。


私は紗季がお母さんと話している間に、さっさとレジで会計を済ませておいた。




「お姉ちゃん…。携帯ありがとう。」



暗いムードを漂わせた紗季が、会計を済ませた私の所にやってきた。


暗い。何この暗いムードは!!



「レジに行ってくるから、待っててねぇ…。」



紗季は暗いムードのまま、レジへと歩いて行った。



そして私は紗季がレジで会計を済ませた後、すっかり暗くなって星が輝いている夜空の下を、紗季と肩を並べながら家に帰った。








トントン、トントン



私は今、バレンタインのチョコ作りの真っ最中。


板チョコって、切るのが意外と大変だったりもする。


………。


やっと全部切れたぁ!!