ひとかけらの恋

こんなんじゃこの後の部活までもたない…。

とりあえず落ち着こう。



すぅー…、ハァー。



ゆっくりと静かに深呼吸をする。





キーンコーンカーンコーン




あっ、チャイムが鳴った。


教室の中のガヤガヤしていた風景が、今では静かになっていた。



「はい、始めまーす。」



そう言って教室に入ってきたのは黒川先生ではなく、仲田先生だった。



「えっ!?黒川先生は?」



素早く誰かが仲田先生に質問した。



「まず、挨拶しましょう。」



「起立、礼。」



仲田先生の言葉に応じて室長が号令をかけた。



「さっき質問があったように、今日は体調が悪いため、黒川先生はお休みです。それと今日の連絡は…。」




だるーい…。


私は暑さで先生の話はあまり聞いていなかった。


そして、気付かないうちに朝の学活は終わって、廊下に並ぶ。