ひとかけらの恋

そんな所に誰かが歩いてきた。


ちょっと光が反射して見にくいけど、あれは翔…?



翔は私が手に持っているプレゼントを見て口を開いた。



「美晴って、今日が誕生日?」



前にメールで教えたことあったけど…。
やっぱり覚えてるはずないよね…。



「そうだよ。今日は美晴の誕生日だよ。ねっ、美晴?



私が返事をしないでうつむいていたから、優が気遣って言ってくれた。



「う…、うん。」



「今日やったか。…美晴おめでとう。」



えっ…?


翔はニッコリ笑った。


ドキン…。



私…、今すごく幸せだ。


私の好きな翔の笑顔を見れて…。


それに何より…、『おめでとう』って言ってくれたことが嬉しすぎる。


今年は最高の誕生日かもしれないね。





「ただいま~!!」



私は上機嫌で家に着いた。



「おかえり美晴。もうすぐできるから着替えてらっしゃい。」



「はぁ~い。」



私はウキウキ気分で自分の部屋に戻った。