ひとかけらの恋

いつだってこの夕日は少し寂しい感じがする…。



いつもなら『また頑張ろう!』っていう元気な気分にしてくれるのに、今は切ないだけだよ…。



いつも恋のことで悩んだりしたらここに来て、元気をもらってまた頑張ってた。




だけど………………。



今はもう頑張れないよ…。



翔はもうこの町にはいない。



でも私………、このことにかこつけて何もしてない……。




翔のメアドだって、電話番号だって知ってる。




でも…………。




でも…………。




勇気が出ないよ…。




チリーン…。




ポケットから携帯を出すと、小さく鈴が鳴った。



翔は…私の友達だよね?



私はストラップをギュッと握った。



好きになってほしいなんて贅沢言いません。



だから神様………。





「翔にもう一度会わせて……。」




私はストラップをギュッと握ったまま、声の届くはずのない神様へ頼んだ………。