ひとかけらの恋

「あらー?またこの写真たて倒れてるじゃない。壊れてないの?」



お母さんは机の上の倒れている写真たてを立て直した。




「…………。」




私は黙ったまま返事をしなかった。




「お母さん今から買い物に行ってくるけど、美晴も行く?」




掃除機を持ちながらお母さんは言う。




「う~ん。いいや。行かない。」



「そう?じゃあ紗季もいるから留守番よろしくね。」



「はーい。」




お母さんは私の返事を聞くと、掃除機を持って部屋を出て行った。


私は部屋を見渡した。


お母さんが掃除機をかけてくれたおかげかして、部屋がさっきより綺麗になった気がして気持ちいい。



次は自分で掃除しようっと。



私は立ち上がり、雑誌を机の上に置いた。




「……………。」





パタンッ………。





私は写真たての写真を少し見た後で、静かに写真たてを倒した。



お母さんには言わなかったけど、この写真は壊れて倒れてるんじゃない。



………私がわざと倒してる。