ひとかけらの恋

夏の暑さは緩み、木の葉がうっすらと色付き始めていた。




もう10月……。




9月の初めは翔が転校したことを思い出しては、悲しくて泣いていた。



でも悲しみにばかりくれている暇はなかった。



文化祭が終わった今、受験に向けて勉強の真っ最中だった。





―日曜日―




「あー、勉強する気出ないなぁ…。」




今だに受験生の自覚がない私は、のんきにベッドの上でゴロゴロしながら雑誌を読んでいた。





《彼と行きたい秋のデートスポット》





たまたま開いた雑誌のページの見出しに書かれた言葉。



私はパタンと雑誌を閉じる。



私は翔が転校してからは、恋に関するものは聞いたり見ないようにしていた。



翔のことが好きじゃないって言ったら嘘になる。