ひとかけらの恋

夢……じゃないんだ。



始業式も終わって、帰りの時間になっていた。



私はぼーっと外を眺めていた。




「美晴帰ろっ…?」




みんなは翔が転校したことを知っているから、落ち込む私を気にしながら話しかけてくれる。




「うん……。」




私はみんなに誘われて、鞄を開けて荷物を入れようとした。



………。



鞄を開けた瞬間、私の目にある物が写った。


小さな袋……。
翔に渡そうと思ってた誕生日プレゼント……。



渡せなかった……。
渡したかったのに………。



私は筆箱を鞄にしまい、チャックを締める。



「……帰ろうかっ!!」




私はみんなに笑いかけてながら言った。




「今日ちょっと部活の様子見てこうと思ってるんだけど、美晴はどうする…?」



「あたしも行くよー!」




私は明るく振る舞うことにした。



ただ今日聞いたことを忘れるために……。