ひとかけらの恋

その出来事は、たまたま部活がなかった水曜日に起きた。









「あー、やっと帰りだー。」




私は帰るためにいつものように昇降口で靴を履き、みんなと正門に向かって歩いている時だった。


喋りながら歩く私達の前方を翔が歩いていた。




「辻島先輩!」




いきなり歩いている翔の周りに、2年生の女子が二人ほど歩み寄ってきて、翔と一緒に歩き始めた。



そして、仲良さそうに話している。



会話が少し聞こえてくる。




「この前の部活紹介上手でしたよね!」



「まぁ、俺は天才だから………。」




私は、翔が楽しそうにしている姿が見ていられなくなって目をそらした。



わかってた…。
翔は前からモテてることはわかってた…。