ひとかけらの恋

「この男の子ね、ジャンって言うんだ…。」



ジャン……。


この前、笑美が泣いてる時に言った名前だ。



「ジャンは…私がアメリカに行って、始めてできた友達だった。」


「うん…。」




私は笑美の言葉を一つ一つ頭に刻むようにして聞いていた。




「ジャンね、お母さんが日本人で、お父さんがアメリカ人のハーフだから、日本語もわかってたんだ。だから、アメリカに行ったばかりで英語のわからない私に、最初に話しかけてくれた。」



「…うん。」



「言葉が通じなくて友達ができなかった私に、ジャンは友達を作る手伝いをしてくれたし、英語も教えてくれたよ…。」




そっか……。
最初は英語も喋れなかったんだよね…。


私…、笑美の苦労を知らなかった。




「あたし…、いつの間にか惹かれてた。優しくしてくれるジャンに…。」