ひとかけらの恋

身長は私より少し高くてスラッとしていて、黒髪のショートがとてもよく似合っている。



「じゃあ自己紹介して。」




先生に言われて、女の子は小さく縦に首をふって話し出した。




「武藤笑美です。日本に戻ってきたのは5年ぶりなので、日本語が時々変になるかもしれませんがよろしくお願いします!」





日本に戻ってきたのが5年ぶり…………。



……ってことは、どこに住んでたんだろう。



「武藤さんは、アメリカから来ました。みんな仲良くして下さい。」




私の疑問に答えるように先生が話した。



「じゃあ席は、糸井さんの隣だからこの机をっと。」




先生はそう言いながら、教卓の横に置いてあった机を私の隣まで運んできた。



そして笑美ちゃんはその席に着いた。