ひとかけらの恋

お母さんさっき、この男の子に『翔君』って言ったよね?


この男の子が翔君なの…??


全然わからない…。



「どうした?どっか痛いか?」



「えっ、あっ…。」



男の子は仕切りに私を心配してくれる。


けど、なんて言ったらいいの??



「お母さんが翔君に言ってあげようか?」



困った様子の私を見てお母さんが言う。



「うん…。」



私は小さくうなずいた。



お母さんは小さく深呼吸をして話し始める。


「翔君…。落ち着いて聞いてね?」



「は、はい。」



お母さんの深刻な顔を見て、男の子も真剣な顔になった。



「美晴………。何故か翔君の記憶がないのよ…。」



「…………はぁ?嘘だろ!!冗談だろ!?美晴!!」


男の子が私の肩を掴んで揺すった。


その手が、少し震えているように感じる。