ひとかけらの恋

私の一言で、みんなが一瞬で言葉を失った。

そして病室に沈黙が流れる。



ミーン、ミンミンミーン……。



蝉の鳴き声が、やけに不気味に聞こえて仕方がなかった。



「何を言っているの美晴。冗談でしょう?」


沈黙の中、最初に口を開いたのはお母さんだ。


でも私は首を横に振る。



「冗談じゃないよ?翔君なんて人いたっけ?」



みんなは私の言葉を聞くたびに、信じられないというような顔になった。




トントンッ!!




誰かが扉をノックした。



「あ、はい。どうぞ。」




お母さんが返事をすると、見知らぬ男の子が入ってきた。



「か、翔君。怪我大丈夫?」



「はい。もう大丈夫です。美晴こそ大丈夫か?」



その男の子はお母さんと話した後、私に話しかけてきた。