ひとかけらの恋

翔はまさしく『何のこと?』っていうような顔になった。



「あっ!さっき自転車置き場にいたからか?あれは電話がかかってきたから外に出ただけだぜ。」



ふぅん。私の思い過ごしか…。



「こらぁ!辻島ー!なんで違う部活のおまえがいるんだ!?」



「いやいや。俺はあなたみたいなおじさん知りません?人違いじゃありませんか?」



いや…翔。そんな無理な嘘つかなくても…。


「あっ、そうですか…って、何を言ってるんだおまえは!一瞬間違えたかと思ったやんか!!」




えっ!?間違えたかと思ったの?…ていうか普通間違えないでしょ!?


でも、ほかの部活の人は応援に来ちゃいけないなんて知らなかった。


翔…さっきの様子だと、このこと知ってたんだよね?


じゃあ、なんで知ってて来たんだろう…。



「ねぇねぇ美晴。ちょっとこっち!」



「何?優。」



私は優に呼ばれてちょこちょこと体育館の隅に寄る。


優は小声で私に話しかけた。