ひとかけらの恋

「うん…。私試合始まるから行くね!」



「おぅ!頑張ってこいよ!」



私は体育館の方にゆっくり向かう。



なんでだろう……。





フラれちゃったのに…、不思議と涙は出なかった。





でも、ココロは少し痛かった。





大丈夫だよね…?


このココロの傷はすぐに治るよ…。



治ると……信じてる。





私が体育館に戻ると、今まさに試合が始まる直前だった。




ピピーー!!






結果はボロ負けで試合終了ー。


でも、悔いはなかったと思う。



「美晴!!」




ドキッ…。




「翔…。ハハハ、負けちゃった!!」



私は明るく返事をしたけど、正直今は翔と顔を合わせたくなかった。



「あれっ?翔帰るんじゃなかったの?」



「えっ?なんで?」