ひとかけらの恋

えっ!?何なの!?



私は思わずびっくりして目をつぶった。



パシッ!!



何か音がしたような…。



へ……?



おそるおそる目を開けてみたら、私の横に翔がボールを片手で持って立っている。




「悪るい糸井!シュートはずれちまって!」


翔を挟んで向こう側にいる男子が、私の方に向かって謝っている。


「それにしてもナイスキャッチだな翔!」




えっ…?何なの?ボール…?



そういえば、男子が叫んだ時、ボールっぽい影が見えた気がする…。



「翔、俺がシュートミスした瞬間糸井の所に走ってったもんな。サンキュー!」



「サンキューじゃねぇだろ?ボール拾おうとしてる所にボール打つなって。」



そう言いながら翔は片手に持っていたボールをドリブルしながら歩き出した。