ひとかけらの恋

私の席は一番窓際だから、座ったまま窓の外を見れる。


たくさんの人が遅刻しそうになっていて走っていた。


その中に一人に、特に見掛けたことのある人物が走っている。


部活のユニホームを左手に、学校の鞄を右手に持ちながら走っている人物は…。



「翔じゃん……。」



……ハッ!しまった!! ついついココロで思ったこと口にしちゃった!
……誰も聞いてなかったよね!?



周りを見渡したけど、みんな友達と喋ったりしていて、誰も聞いている様子はない。


……とりあえず一安心。


普通一人で男子の名前呟いてたら、いろいろ誤解されちゃうからなぁ…。



それにしても私……ダメだなー…。


翔の姿見るとまだ目で追っちゃう…。


やっぱり無理なのかなぁ?好きな人をあきらめることは…。


でも、もうこれ以上翔を困らしたくない。それに、つらい思いもしたくないよ…。