<コンコン>


部屋のノックとともに、婦長の小山美々(コヤマ ヨシミ)が入ってきた。


「おはよう、凜ちゃん。朝ご飯はちゃんと食べたかしら?」


「みみさんおはよう。ちゃんと食べたよ!ほらっ!!」


 凜夏は嬉しそうに美々に空になった食器を見せた。ちなみに『みみ』というのは美々の事である。昔、凜夏が読み間違えてからすっかり定着している為、凜夏は今でも『みみ』と呼んでいる。


「あら、偉いわね~。」


「えへへ~。」


 凜夏は美々の事が大好きである。それは美々も同じで、自分の娘のように凜夏の事を可愛がっている。なので、周りからは「本当の親子みたい。」と言われる事が多かった。そのため陸斗も安心して美々に凜夏の事を任せられるのである。