「んー・・・」


いつも通りの時間に起きた美咲は、学校の支度をして階段を下りた。手を震わせながらも、リビングに繋がるドアノブに手をかけ、ドアを開けた。



“ガチャ”



ドアを開けた先には、親が美咲を冷たい視線で見ていた。



「出て行けって言わなかったか?」

「えっ・・!?お父さん、お母さんどうしちゃったの?私の事・・嫌いになったの?」

「そうだよ。それが何か?」



美咲の頭が真っ白になった。いつのまにか、また、虐待にあっていた。昨日よりも、アザの数が増えた。美咲の両腕は青紫色だった。



「私達が帰って来るまでに出て行かなかったら・・ただじゃおかないよ」



そう言って、親は仕事に行った。



「待って!!」



美咲は泣きながら、叫んだ。



「なんで・・嫌いになったの?」

「もう、あんたの世話をするの疲れたんだよ。あんたが、うっとうしくて消えてほしい存在だったから」



美咲の心は温かかったのに、今では冷たく凍っていたのだった。