生きたがりの青年と死にたがりの少年


「お金…?」

驚いた。

「はい。理由も言わず、ただ、お金を貸してほしいと。カワユリはその理由を、知りたくて、“生きたい”と願ったんです。しかし、現実は、彼女に“死”を与え、魂は行き場をなくし、この世を去りました。」

結花は静かに涙を流した。

「彼女は、亜利沙さんを恨んだりしてません。」

一呼吸した。

「いつまでも、大好きです。」