俺は先に、お姉さんの状況を聞いた。 姉の名前は、亜利沙(ありさ)。 カワユリが刺されたカッターに、指紋が残され、逮捕された。 犯行は認めたが、理由はまだ黙ったままだという。 「亜利沙、どうして何も言ってくれないのかしら……。」 涙を流して、母親は悲しんだ。 ゆっくりと、俺は話を始めた。 「お姉さん、亜利沙さんは、カワユリにお金を求めたみたいです。本人が言うには、そんな亜利沙さんを見たのは初めてでした。」