生きたがりの青年と死にたがりの少年


結花が返事してくれた。

「あ、結花ちゃん?ちょっと待ってね。」

廊下を走る音がして、玄関の戸が開いた。

髪を束ね、エプロン姿のカワユリの母親が迎えてくれた。

「久しぶりね~。」

「はいっ。あの、友梨ちゃんに会えますか…?」

母親はにこっと笑みを浮かべた。

「ありがとう。あ、こちらの方は?」

「初めまして。結花とお付き合いしてます、伊丹です。」

「男前な彼氏ねぇ。どうぞ、上がって頂戴。」

少し涙を浮かべていたようだった。