隣の患者の正体はわからないまま、退院の日が来た。 あれ以来、あの子とは話せなかった。 「ショウ!来てやったぞ!」 同級生の大輝(たいき)と楓斗(ふうと)、明也(あきや)が、迎えに来てくれた。 結花、田仲(たなか)、日向(ひゅうが)の女子も来てくれた。 「おー!ありがとうなぁ!」 荷造り中だった。 鞄に入るだけ入れて、詰め込めるだけ詰めた。