「悪い、悪い。ごめんな。」 横に首をふった。 「俺、将吾って言うんだ。ショウって呼んで。君は?」 「……。」 答えてくれなかった。 「喋れないのか?」 違う。 「喋りたくないだけか。まぁいいや。早く寝ないと、看護師に怒られんぞ。」 また何か書き出した。 そしてスケッチブックをたたんで、枕の下に敷いた。 「何書いてたんだ?」 手でハートの形を映した。