カワユリは大粒の涙を流した 「お姉ちゃんを助けたかった…。」 そう言い残すと姿を消した。 『―伊丹 将吾。あなたもそろそろ決断が下ります。』 ―そうか。 『一つだけ忠告しときます。この生死の狭間に馴染まないこと。』 ―わかってる。俺はなんとしてでも生きる。ここの住民なんかじゃない。 『よかった。あなたは意志の強い方で。』 少女がほほ笑んだ気がした