彼女は目を泳がせ、焦りを紛らすためか、何度も耳に髪をかける動作を見せた ―俺、伊丹 将吾。高校3年生なんだ。君は? 「同い年ね。アタシ、大河 友梨(おおかわ ゆり)。男子からは、カワユリって呼ばれてるから、そう呼んで。」 同い年という事を知ったからか、先ほどのような素振りを見せず、明るく自己紹介した ―カワユリだな。俺はショウって呼んで。 顔を見合わせて会釈した カワユリは、えくぼを見せた