ヒロの父親は頭を下げた。 「一度手放した、悪い父親ですが、どうか、どうかこの手で我が子を育てたい。傷を癒してあげたい。それが私に出来る、妻と子供への償いなんです!」 「償いなんて言わないでください。」 俺はとっさにそう言葉にした。 「そんな言い方したら、嫌々ヒロを引き取るみたいに僕は聞こえてしまいます。」 自分の父親も、ヒロの父親も黙って聞いてくれた。